Infinito Nirone 7

白羽の矢を刺すスタイル

チームワークのためのコミュニケーション

なんか意識高い系みたいなタイトルだけど、チームとして何らか成果を上げるための活動をしていこうと言う時に、最も丁寧に扱わないといけないのがコミュニケーションだと思う。

アジャイル開発とか、スクラム開発とか、そういったものには、コミュニケーションのためのフレームワークとしての意味合いがあると思う。日々仕事を進めていく中で必要不可欠なコミュニケーションをある程度形式化することで、チームの人達の目的意識を合わせて仕事をできるようにするのがこのフレームワークの肝だと思う。

何のためのチームなのか

チームでも部署でも、もっと広く見て会社でも、何らかの目的意識があると思う。◯◯な世界を実現する、とか、社内の◯◯を円滑にする、とか。
チームの流動性もいろいろあると思う。ずっと同じメンバーでミッションを受け持つこともあれば、プロジェクトごと違うメンバーでチームを作ることもあると思う。

どんな形態にしろ、何のためにチームとして成果をあげようとしているのかは全員の認識として揃えておく。

アジャイルサムライに書いてある、みんなをバスに乗せる、という話はまさにこのことだと思う。同じ目的を共有することで、チームとしてのパフォーマンスを最大化できる。
とはいっても、これをしたからといってみんながみんなまったく同じものの見方をしているとは限らない。少しずつ違った見方があって、そうすれば当然同じ物事でも優先順位が人によって違ってくることだってある。
そういう見方の違いは、早めに話し合っておくのが重要だし、必要なら優先順位付けのための基準を明らかにしておくことも大事だと思う。

仕事の目的

チームの目的をすりあわせたら、次は目的を実現するためのプロダクトバックログを作る。ここでもやはり、バックログの項目ごとに、その目的や、それをすることによって何が良くなるかとか、そういったことを明らかにしていく。

当たり前だけど、チームの目的に適わないバックログを実行するわけにはいかないし、できるだけ価値のあることを優先して実行していきたい。それをするには、バックログごとにも目的と目標が必要だし、それなしには優先順位は付けられない。
何より、チームが円滑にコミュニケーションを進めるためにそういったものごとをはっきりさせておく必要がある。

定期的な棚卸しと調整、振り返り

チームの目的も、バックログで明らかにする目的も、時間が経てば陳腐化する可能性がある。遅かれ早かれ、それらの目的は価値を失ってしまう。

あとになって気付いた時にはもう遅い、というのはよくある話で、だからこそ、出来る限り早く致命傷になる前に修復したり調整したりする必要がある。振り返りをするのはそのためのコミュニケーションを取るためだ。

明確にすべきこと

これまで見てきたコミュニケーションのタイミングでは、いろんな主張が出てくると思う。 その主張の中には、その主張をした人なりの解釈や、その人なりの基準、見方が含まれていて、それらをはっきり言う人もいればそうでない人もいる。いずれにしても、その”前提”はコミュニケーションを取る上でとても大事なことだと思っていて、コミュニケーションがうまくいかない理由の大半はその”前提”を見誤っていたり誤解していたり伝えきれていなかったりといったことが原因なんじゃないかと思う。

計画、実行、振り返り。どのタイミングでも、意思決定をするには目的や目標、前提の理解は必要不可欠だと思う。 何故なんのためにやるのか良くわかってもないことを率先してやれるほど自分でモチベーションがあげられる人ばかりではないし(少なくとも自分はそう)、どうしてそういう判断に至ったのか良く分からないことに同意するほど狂信的な人もいないと思う。そして何の効果があるのか分からないことをやれるほどお金も時間も潤沢にあるわけではない。

自分の意志を伝えるというのは、単に言いたいことを言うことだけじゃなくて、何故そう考えるのか、何故それが大事なのか、そしてその成果としてどんなイイコトがあって、それがもたらす効果がどうで、だから重要なんだっていうことを伝えなければ意味が無い。もちろん、主張を受け取る側としても、理由や目的、前提が不明確なときはそれをちゃんと伝えるべきと思う。そういうキャッチボールがないまま言いたいことを言いたいだけ言って肝心なことを言わないのはコミュニケーションじゃない。

主張がうまく伝えられていないのは、そういった目的や前提が不明確で伝わっていないときか、チームとしての目的と主張している目的とがうまくつながって理解されていない時だと思う。

なんとなく、昔ひとに物事をお願いするときのコミュニケーションの取り方を注意された時のことを思い出したのでまとめてみた。