Infinito Nirone 7

白羽の矢を刺すスタイル

自転車で遠出をするときに気をつけていること

自転車の楽しみ方は人それぞれで、近場をちょっと走って散歩代わりに楽しむ人もいれば、ひたすら山を登り続ける人もいるし、いろいろなところにでかけてグルメを楽しむ人もいます。自分の場合はトレーニングも若干考えつつも、いろんな景色を見るために100kmを超えるロングライドをよくします。本当はダイエットやら運動不足の解消やらを目的にしていたはずですが、いろいろ楽しんでいるうちに目的が変わってしまいました。趣味なので気にしない。

自転車で遠出をすると問題になるのが、出先で見舞われる様々なトラブルです。タイヤのパンクが最も典型的かとおもいますが、それ以外にも機材が壊れて走行できなくなることもあったり、事故にあったりすることもトラブルの一種です。

この記事では、機材や体調に関するトラブルや対処方法は多数ある書籍やブログ記事にまかせるとして、それ以外のトラブルについてまとめてみようと思います。

前提

家に無事帰ってくるまでがロングライドです。 トラブルにあわないようにするための事前準備と、たとえトラブルに見舞われても冷静に対処できるだけの選択肢を持っておくことが大事です。

自分が自転車に乗っていなくても使える話も含まれていると思います。

前もって準備しておく持ち物

コンパクトな財布にまとめるとか、小さめのポーチにまとめておくとかをすると簡単に持ち運べます。

  1. 免許証: 最強の身分証であり、機材トラブルが解消できないときに電車輪行以外の手段として車で運ぶ場合にも必要。
  2. 健康保険証: 病院に行かないといけないときにないと困る。ただし事故の怪我で病院にいくとき、被害者として健康保険をつかう場合は注意が必要*1
  3. 緊急連絡カード: もしものときに自分自身が何らかの理由で動けない場合、緊急連絡先や常用している薬、加入している保険などを記したカードを持っておくと、他の誰かへの意思表示ができる。
  4. 自転車ショップの会員証など: 途中でショップに持っていきたいときのために。
  5. 現金: キャッシュレスサービスが進んでいる中でも現金onlyなものはまだまだ多く、特に自販機に救われることもよくあるので。
  6. クレカ: これがあるだけでホテルに泊まるとかいろいろな手段が取りやすくなる。

地理の把握

太陽の位置と時間がわかれば方角もなんとなくつかめるので、あとは地図とにらめっこしてどっちに行ったらよいかを見極められるとベター(夜はあきらめるか、スマホのコンパスで頑張る)。 あるいは、行きたい場所につながる道の番号や、その周囲の地名(市町村の名前とか駅の名前とか)をなんとなく覚えておくと、道路標識でどっちに行くとどこに行くかを見たときに取るべきルートがわかりやすくなる。最悪引き返すことになってもいいように、目立つ建物や案内の看板の位置とか交差点の名前とかを覚えておくという感じでその場でできることもある。

最低限、駅がどこにあるかは知っておきたい(ここにたどり着きさえすれば輪行で帰るなり近くにある宿泊施設に泊まるなりの行動が取りやすい)。

トラブルへの対処

トラブルと一口に言ってもいろいろあります。事故への対処以外にも、それに至りかける危険への対処も含めて書いていて、特に危険に対する嗅覚は鋭くしておくと、たとえ出くわしたとしても受けるダメージを限りなく小さくできます。

  1. 事故: 被害者としても加害者としても、あるいは目撃者としても事故にあう可能性はある。いずれにしても警察・必要に応じて救急への連絡をすることと、けが人の応急処置を優先する。あとけが人の言う「大丈夫」はだいたい大丈夫じゃないのでしばらくは安静に。ちなみに怪我をみてもらった結果打ち身として病院で処方される湿布には、光過敏症に気をつけないといけないものがある(モーラステープとか)。肌が弱い場合はそもそも湿布の刺激が強く合わないことが多い(自分は全くあわなかったのですぐやめた)上に使用後もしばらくは太陽光を直接浴びないようにしないといけないので、できるならその心配がないものを出してもらう。
  2. あおり運転などによるヒヤリハット: 最近話題のあおり運転は自動車同士だけでなく自動車 vs 自転車でも起こり得る(交通ルールの無理解や感情的な問題など理由はいろいろ)。やばい車がいると思ったら近づかない、向こうから近づいてきたらそっとやり過ごす、もしなにかされても追いかけない、は自分を守る大前提。それでも何らかの縁あって煽られたり幅寄せされたりすることがあるが、その場合はナンバーを控えて即警察に連絡する*2SNSに当該の車の写真を上げる行為はやめておいたほうが無難(ナンバープレートそのものが個人情報にあたるかどうかという論争に火をつけがち、あるいはそれ以外に写っているものとの組み合わせで個人情報の要件を満たしてしまったり他の権利を侵害してしまって燃え上がってしまうなど)。一方で GoPro とか ActionCam をドラレコのように使うのは有用。最近はテールライトとカメラがセットになった製品もあるよう。充電をちゃんとしておこう。
  3. 自転車同士、あるいは歩行者との間のヒヤリハット: 自転車同士でもトラブルはあって、逆走してきた、とまれをまもってくれない、スマホいじりながら突っ込んできた、無灯火のまま飛び出してきたなど状況は様々。話せばわかってくれることもあるかもしれないし、そのまま無視されるかもしれない。こればかりは分からないのでどうすべきかはなんとも言えない。歩行者も突然飛び出してくることもあるので、視覚・聴覚を駆使して得られる周りの状況をよく把握しておく。仮に他の自転車や歩行者が周りをよく見ている様子が伺えても、自分のことに気がついているかどうかは別問題。

危険を避ける、あるいは危険度を下げるための行動

自分を危険に近づけなければトラブルにあうこともない(それでもあってしまうものがトラブルではあるが…)。

  1. 合図を出す: 自動車ならウィンカーやブレーキランプ等コミュニケーションの手段がいろいろあるように、自転車も手で合図してコミュニケーションを取ることができる(法律で決まっていて教習所でもらう書籍にも書いてある*3)。なれないうちは合図のために片手を離すのが億劫かもしれないが、合図があるだけで何をしたいかが周囲に伝えられるようになるので練習しておく。
  2. 声を掛ける: 特に追い抜くときは合図では伝えられないので、追い抜くことを後ろから声をかけて伝える。追い抜くときは左によるための合図を出すことも忘れずに(自動車がウィンカーを出すときと同じ考え方)。
  3. 他の交通を運転している人を見る: 自動車にしろ自転車にしろ、運転手の視界は限られているので、こちらに気づいていなさそうな車両には近づかない。顔がどちらを向いているかを見たり、アクセルの踏み具合や加減速の様子などから判断する。タクシーなんかは急に合図を出して止まり始めるなどトリッキーな動きをしがちなので、歩道でタクシーを捕まえたそうにしている人がいるとわかったら気をつけよう。
  4. 周囲の交通を音で把握する: スポーツカーや大型車、バイクなんかは大きな音をたてるのでわかりやすい。
  5. ミラーを付ける: 後ろを振り向いて確認する行為そのものがまあそこそこ危ないので、視線の動きを小さくまとめるためにミラーをつけておくとよい。ただし死角もあることを忘れずに。
  6. スピードを出しすぎない: 速度制限のある道路は当たり前だけどそれ以上出しちゃいけないのは車と同じ。下り坂などどうしてもスピードが出やすいところも自分がコントロールできる速度から上がらないようにブレーキを使う。ただしずっとブレーキを握りっぱなしにするとリムまたはチューブが熱でダメになることもあるので機材の扱いには気をつける。そうでなくても握りっぱなしは疲れるので、休み休み下るほうがいい。
  7. 目立つ服装: 反射材がついているとか、あるいは反射板を取り付ける、反射バンドを身につけるなど。黒い服装でナイトライドは自ら危険を招いていると言っていいくらい見えづらい。

まとめ

日本の道路がそもそもその構造からして自動車と自転車がノートラブルで仲良く走れる作りかといえば全くそうではない(自転車レーンにまたがって路駐してたり、自転車レーンがそもそもなかったり、運用でカバーしているルールもあったり)こともあるのだけれど、その中でできうる限りの自衛策とアピールは身につけておきたいですね。

*1:健康保険が負担する分は本来加害者が加入する保険から支払われるべきなので、健康保険を使って支払ったら「第三者行為による傷病届」を出して健康保険が加害者の保険から回収することになっている。事後の提出もできるのでよく話し合っておく。

*2:警察からその車両の所有者に警告をしてもらうことになる。自転車が原則として車道をはしるものということを知らない人もまだまだおおい。もちろん、自転車が通ってはダメなところを走るのは論外だけれども。

*3:右左折はわかりやすい。停止の合図は法律の定めるところと実際に使われるものが違うので注意が必要。